外壁工事に使われるサイディング
建築業界やDIY界隈以外で「サイディング」という言葉はあまり使われませんが、サイディングとは建物の外壁工事に使用される建材のことです。
サイディングボードと呼ばれる既製品を切り貼りし、外壁を仕上げるのが主な使い方です。
「既製品を切り貼りする」と聞くと、小規模な工作のようで、よいイメージを持ちにくいかもしれません。
しかし、工場で作られている品質が確かなもので、性能面を心配する必要はありません。
職人がしっかりとサイディングボードのつなぎ目を埋めて仕上げれば、長きにわたって建物を守ってくれます。
かつて外壁工事の仕上げの主流だったモルタル塗りは、職人の細かな手作業が必要なために時間がかかりやすく、さらに経年劣化によるひび割れを起こすリスクもあることから、必ずしも理想の仕上げとは限りません。
一方、サイディングボードを使用すれば効率よく仕事が進むため、工事期間の短縮につながりますし、モルタル塗りと比べればそこまで特別な技術も必要はなく、多くの施工業者がサイディングを使った仕上げに対応しています。
住宅で使われるサイディングの種類と特徴
住宅の外壁に使用されるサイディングは大きく4種類に分けられます。
最もメジャーなのが窯業系サイディングです。
窯業とは窯で焼いて作ることを意味しており、陶器を焼く技術をベースに、セメントや繊維質などの原料を使って生産します。
コストが抑えられている製品が多く、リーズナブルな価格でありながら、外壁を綺麗に仕上げられるのが大きな特徴です。
デザインが豊富なのも見逃せないポイントで、鏡面仕上げや木目調など個性的なデザインのサイディングボードも多く、デザインにこだわりたい人にとっては最適です。
窯業系サイディングよりは若干高めなものの、金属系サイディングも比較的コストが抑えられます。
表面にガルバリウム鋼板や塗装ステンレス鋼板といった金属が使用されており、非常に軽量で建物への負担が少ないため、既存の外壁を取り壊さず活用したい場合に適しているのが魅力です。
また、軽量でありながらも頑丈なため、地震に対しても強く、地震のリスクを避けられない日本では非常に頼りになります。
様々なよい特徴を持つ金属系サイディングですが、一方でデメリットもはっきりしており、金属を使用しているために錆に弱いのが大きな難点です。
雨水に打たれると錆びが一気に進行しかねないため、金属系サイディングを使用するのであれば、塗装でしっかりとガードしないといけません。
また、これも金属を使用していることによるデメリットですが、金属系サイディングに何かがぶつかったり、こすれたりすると、あっさり傷がつきます。
できた傷から錆が進行する恐れもあるので、金属系サイディングを外壁に使用するのであれば、なるべく周囲に物を置かないようにするなどの配慮が欠かせません。
そして、窯業系サイディングと比べると、金属系サイディングはデザインの幅が狭く、デザイン性を重視したい場合には不向きです。
金属系サイディングは、金属ならではのスマートかつモダンなデザインが魅力ですが、それ以外の個性を出すのは難しいため、デザインを重視したいのであれば、窯業系サイディングを選ぶのが無難です。
木質系サイディングは、丸太から切り出した自然な形の木材を使用した一枚板のサイディングや、集成材と呼ばれる複数の板を合成させたサイディングを指します。
窯業系サイディングには木目調のデザインもありますが、自然な温もりを感じさせる住宅を作りたいのであれば、木質系サイディングがベストな選択肢です。
しかし、現在のところ、日本では木質系サイディングはあまり使用されておらず、その原因としてコストの高さが挙げられます。
大量生産可能な窯業系サイディング、金属系サイディングと比べると木質系サイディングは価格が高く、予算に余裕がないと手を出しにくい素材です。
また、木をベースにしているため、防火の面では難があり、安全性を重視するのであれば、特殊加工で耐火性能をアップさせることが欠かせません。
特殊加工を施すと費用はさらに上がるため、やはりコストの面が問題になります。
さらに、窯業系サイディングや金属系サイディングと比べると、木質系サイディングの使用には高度な技術が必要です。
施工例もさほど多くはなく、木質系サイディングに対応している施工業者を探すのが大変なのも難点です。
樹脂系サイディングという選択肢もあり、こちらはアメリカの住宅の外壁工事では非常にメジャーな選択肢です。
寒さに強く、頑丈なため、東北地方などでは使用されることもあるものの、遮音性に難があるなどデメリットも目立つことから、日本では木質系サイディングと同様に、あまり使用されていません。
これらが代表的な4種類ですが、いずれにしても、サイディングのよい部分を活かし、劣化を抑えるためには塗装の技術が欠かせません。
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